2 新装版
最後の投稿から1週間以上経っている…だと…!?
メディアワークス文庫から出版された野崎まどさんの作品でこれだけまだ持っていなかったので、新装版が出た機会で購入してみました。
と言うわけで。今日は「2 新装版」(メディアワークス文庫)を投稿します。
タイトルから何も想像できない…謎ですよね2。
ちなみに章は0.1から始まり、2で終わります。
…やっぱり何も想像できませんね!m(_ _)m
章の始まりが左ページの真ん中から始まるのは読みやすさを意識しているのでしょうか?
読み進めていくと気になる点があり、自分の部屋の本棚を調べてみると…やっぱり。
メディアワークス文庫から刊行されている野崎まどさんの作品の登場キャラが、今作に登場していました。作品の枠を超えて共演なんてとても嬉しいし楽しいです。それも何人も。
偶然ですが、この作品を最後に読んで正解でした。
主人公は芸術大を卒業した役者志望、数多一人(あまたかずひと)。22歳。現在コンビニエンスストア『夜の蝶』でバイト中。
2月。吉祥寺。彼がとある劇団の第三次審査会場へ向かう場面から始まります。
その劇団の名前は『パンドラ』。日本一のプロ演劇集団です。
代表は演劇プロデューサーでもある不出三機彦(でずみきひこ)。
そして『パンドラ』の全作品脚本・演出を行う座付き作家、御島鋳(みしまいる)。このふたりが劇団のトップ2です。
彼らが稽古している貸スタジオ、『エリシオン』。この場所が数多が審査を受ける会場です。
そしてこの審査を受けるのは数多だけではありません。
15人。
劇団のブログによればそこから多くて3人、少ないと0人が最終的に『パンドラ』の正式メンバーになれるそうで…
しかし不出さんは
「実は入団試験はすでに終了してます」
!?
15人は試用期間として、3ヶ月劇団に耐えることができれば…正真正銘の正式メンバーになれると言うことです。
加えて3ヶ月後の5月に15人で劇を先輩たちに披露することになります。シナリオもやり方を自由。
その日は新人同士で自己紹介をして終わり。
新人公演の練習は火水土に決まり、数多含め新人たちは飲み会で交流を深めていきます。
公演練習が順調に進んでいる3月半ば。
稽古の後のミーティング中に不出さんが稽古場に来て、パンドラの実際の稽古を見学に来て欲しいと言います。
パンドラの次回作『フォージ』の1回目の立ち稽古。
新人みんなが楽しみにしている中、パンドラの初日稽古が始まります。
それは
それは数多たちが想像していた以上の稽古で、全然レベルが違う『演劇の稽古』で…
それに御島さんの演出指導。言葉はわかるが全く理解できない。
その時数多は気付きました。自分が今まで見ていたのは完成した舞台であったと。
そんな別次元のものを見せられ。
翌日。8人の新人が退団しました。
数多は自分が望むものは創れない、自分が創る意味は何か?と…完全に見学の影響が出ていますが、稽古場へ向かいます。
そこに来ていたのは5人。もう無理だという重い空気に包まれる稽古場。
翌日。霧雨の吉祥寺。わけもなく歩いていた数多は本屋で偶然御島さんに会います。
場所をカフェに移しコーヒーを飲むふたり。御島さんは言います。
「数多君」
「辞めてしまうの?」
そこで数多は御島さんに聞きたかったこと、自分の中にある気持ちをすべて吐露します。
それに対する御島さんの言葉は
「創るのは、辛いの」
でもね、
「創ることをやめるより辛いことなんて、この世にはないの」
この言葉で数多は逃げないことを決意します。
次の稽古日。そこに来ているのは数多含め3人。みんなのまとめ役をしていた阿部足馬(あべたるま)と、脚本・演出担当の振動槍子(しんどうやりこ)です。
15人が3人になったため、新人公演の脚本を変えることに。結果出演する演者は数多だけになりました。
与えられた時間はわずかで、演劇の方も悔やまれる部分が多々あったけど、新人公演はやり切った3人。こうして3人は『パンドラ』の団員になりました。
それから1ヶ月後。もう入団試験は終わっているけど、履歴書を送ってきた人がいて、審査をしたいと不出さんが3人に言います。
完全にイレギュラーですが、御島さんが気になるといったのでその方の審査をすることになったと。
10分後。全団員がいる稽古場に不出さんがひとりの女の子を連れて来ました。その子はジャージではなく私服(・・;)
演技課題の台詞は5つあり、まず始めは「愛してる」。それに自分の好きな演技を付け読み上げるのですが…
「愛してる」
彼女が静かに口を開いたその「愛してる」は正解の言い方でした(???)
それから団員たちが口々に「愛してる」を言います。でもそれは女の子が言った「愛してる」とは全然違くて…ベテランも例に漏れず…
次々と稽古場を去っていく団員達。
そして13時間後。稽古場に残っていたのは「愛してる」の正解を言えた数多と女の子だけでした。
その女の子は数多に名前を聞き、矢継ぎ早に
「役者が好きですか?」
「創るのが好きですか?」
「なぜ?」
「愛とはなんですか?」
「創作とはなんですか?」
壮大なテーマですね
続けて彼女は言います、
「それがわかりそうなのです」
え!?(゚ω゚)
「映画を撮ります」
え!?!?
「数多さん」
「映画に出ませんか?」
審査していたのは女の子、最原最早(さいはらもはや)の方だったのです。
その日、劇団『パンドラ』は解散しました。
そして最原と数多、ふたりで映画をゼロから創り始めるのです。そしてその創り方は全く想像もしない、いやできないやり方で…
知らない言葉、定義など。登場した時にエリオはすぐ辞書かネットで調べるのですが…今作は紫さんが丁寧に解説してくれます。ありがとう紫さん!
生物の用語は伊藤先生が解説してくれます。ちなみにエリオは文系で生物を履修していたけど、何ひとつ覚えていなかったよ!恥ずかしいね!!
彼らは創作の解答と言うものにたどり着けるのでしょうか?
創作と愛、この言葉が関係あるものだと言う最原さんの言葉にエリオは感動しました。
謎に包まれていたタイトルの「2」ですが、作中で創作する映画のタイトルです。
どうやら新装版は加筆修正されているようで…ほかの新装版も買わねば。
それではノシ
次は、たんもし(探偵はもう、死んでいるの略、らしい)の2巻投稿予定。2巻は過去編のようです*1..zzzZZ
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