ラノベが読みたい!

好きなラノベを、メディアミックス関係なく。私が読んだラノベのあらすじをもう少し詳しく書いて紹介していきます。 積読消化に追われる毎日。仕事には全く追われていない。

明治×恋× 京都=最高の恋物語な「二十世紀電氣目録」

こんばんは。

暖かい日が続くなー春だなーと思ってたらこの寒さ( ´△)

今日は「二十世紀電氣目録」KAエスマ文庫)を投稿します。

 

f:id:eriomio965:20200306175707j:plain

二十世紀電氣目録 著者:結城弘 イラスト:池田和美

 

1。明治時代の京都と近江、男女の恋物語です。キーワードは、でしょうか。

 

 

 

 

20世紀が始まり何年か経った京都(と滋賀)が舞台です。

 

 

京都伏見の百川酒造の次女。

信じることが取り柄、だけど自分は信じられない百川稲子15歳。何でもできる姉の規子といつも比べてしまいます。稲子は失敗ばかりして、いつも父の甚右衛門にステッキで叩かれています(明治時代ですから!)。

とても素直で神仏には何でも信じてやまない女の子。

 

 

滋賀大津の善飾寺の住職坂本熊五郎法名圓喜)の次男。

電気をこよなく愛し、自分が見たものしか信じない坂本喜八15歳。寺の息子なんですがいいのかな(o;;

この考え方は自由奔放な兄の清六の影響を受けています。しかし清六は日露戦争で亡くなっています。

小さい頃に実家を出て、叔父の仏具店に住み機械修理を手伝い生活しています。電気に熱心なのは昔ある理由で暗闇に恐怖を覚えたから?

20世紀は電気の時代だと言い、電気で極楽を創る。それが彼の目標です。

 

 

 

明治40年(1907)、夏。

京都伏見の稲荷山、稲荷神社で出会ったふたり。

祝詞を唱え定時た稲子が上から転がってきた喜八のことを神様だと思ったのがきっかけです。

 

せっかくやし、渡しとこうかな。と、駅で別れ際に喜八は稲子にチラシを渡します。仏具店なのに機械修理?と疑問の稲子をよそに、喜八が乗る電車は出発します。

そのチラシの裏には

 

 

「『電氣目録』……?」

 

 

という謎の文言が。とりあえず帰ることにした稲子。

帰宅途中。姉規子の婚約者陸健吾(くがけんご)に会い、ふたりは百川家へ向かいます。陸は日露戦争を生き延びた人物で、現在は慈善活動に精を出しています。

 

3人でお茶を飲んでいると、ふすまが開いて甚右衛門が入ってきます。

そして陸に大事な客人に会うのに同席してほしいと。

 

その客人とは三添商店の長男、三添洋輔(別名パイカル博士)。三添商店は豪商で、酒問屋を経営しています。

洋輔はその伏見支店の支店長に就任が決まり、百川酒造に挨拶に来るのだと。

 

 

1週間後。再び百川家を訪れた洋輔は甚右衛門と真剣な話をしている時に、稲子は粗相(涼風器を壊す)をして甚右衛門にでかく怒られます。

その日に稲子は涼風器を持って喜八のいる仏具店を訪ねます。

 

神を信じることが人々を救うと考える稲子と、電気が人々を救うと考える喜八は当然反発しあいますが涼風器は直してもらい稲子は帰宅します。

 

 

家に帰るとまだ洋輔がいて、一緒に夕食を食べることになります。洋輔から気味の悪い視線を感じる稲子。

そして洋輔は稲子にこう言います、

 

「君は僕の妻になるのだから」

 

僕は君が気に入った。是非とも三添の嫁に来てもらう、と。それも来週には籍を入れるとも。

 

度重なる失敗のせいで父に話を聞いてもらえず、髪も切られ稲子は暗い土蔵の中に閉じ込められてしまいます。

色々な感情が巡って力なく出た言葉は

 

「死にたい」

 

 

しばらくして、格子窓から稲子に懐中電灯を向ける喜八が現れます。稲子に置かれた状況は理解していて、稲子にも生まれてきた意味はあると言う喜八。

 

「ほんなら」

 

稲子は言います

 

「うちと一緒に死んで、極楽に連れてってくれる?」

 

 

それに対する喜八の応えは

 

「ほな行こか」

 

手を差し伸べて

 

「今から極楽に連れてったる」

 

 

こうしてふたりは百川の家を出ます。

 

洋輔に稲子との結婚をやめるように言う喜八ですが、条件として『電氣目録』を持ってこいという洋輔。

 

『電氣目録』とは喜八が幼い頃に書いた落書きのような予言書のことで、洋輔その最後…20番目が知りたいのだと言います。

 

でも喜八が知る限り『電氣目録』は19番しかないはずなのです。肝心な目録は清六に渡したきり、彼は亡くなり行方不明。そもそもあの目録は子どもの落書き。

それでも喜八と稲子は『電氣目録』を探すべく奔走します。

 

喜八は無事に『電氣目録』を洋輔に渡し、稲子と洋輔の結婚を阻止できるのでしょうか?

喜八が知らない目録の20番とは?

 

前途多難な旅になるはずが…度重なる偶然によって、喜八たちは『電氣目録』に吸い寄せられていくのです。

 

 

 

ミステリーを読んでいる感覚になり(消えた目録を探し回っているから)、展開が気になる場面が多かったのですが、要所要所喜八と稲子、ふたりの気持ちが描かれている場面は、やっぱり恋物語なんだな初々しいなとほっこりもしました。

 

お互いのことを思っているのにケンカしてしまう、素直になれない感じ。いいです〜(//∇//)

 

『電氣目録』は喜八と稲子を引き合わせただけでなく、かつてはあるふたりを繋げていたのです。

更に周りの人を巻き込み物語は進んでいきます。いい方向にも進んで行きますが、悲しい事実も明らかになります。

 

 

エリオほこの作品を読んで登場人物のつながりをすごい感じ、とても感動しました。

ホント縁は異なもの味なもの、です(о´`о)

 

それでは〜ノシ