喪われていく世界。数々の出会いを経て、少年少女が目指す先は…?「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」
こんばんは。
天気が良くてもドライブに行けず、憂鬱な日々が続いていますエリオです。
何せ手術がまだ先なもんで…
それはさておき、今日は「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」(電撃文庫)を紹介します。また電撃文庫なのは偶然です(・・;)全1巻です。
全てを捨てて旅に出ないか?
そう言われてあなたならどうしますか?
おいそれと「はい!」と返事できませんよね。
でも。こんな世界だったらどうでしょう。
「喪失症」と呼ばれる現象が世界中で起こっている世の中だったら?
喪失症は原因不明で誰にでも起こる現象です。
まずは名前を失い、次いで顔、色、影と消えていき。最終的には存在が無くなってしまう。
という現象です。
残るのは「そんな人が居た」という曖昧な記憶だけ。
そんな世界なので、少年は少女のこの誘いを受けて、その日のうちに学校を出発して2人は旅に出ます。
それから3ヶ月経った夏。
1冊の日記帳とスーパーカブ(カブ君)1台でふたりが北の地を旅しているところから物語は始まります。
カブは現在修理中。それも4日前から。
修理と言ってもカブに積める道具は限られていて…となると、残された道はカブと荷物を押して140キロを歩くことになる訳で…
「いっそ棄てて行くかな」
と言う少年に
「無茶言わないで」
と少女。
カブは直らなかったので、その日は道の駅で野宿することに。
そうと決まれば早速料理!ということで、少年は寝床準備、少女は食事準備に取りかかります。
今更ですが。主人公の少年少女には名前がないの???と思った方いると思います。
実はこのふたり、喪失症に罹っております。長く旅をしているけど、お互いの名前は喪われわからないのです。
もっと言うとこの物語には名前のあるキャラクターが登場しません。先生とか姫とかボスとか。固有名詞以外の呼ばれ方をします。
時を戻そう。
夕飯のサンドイッチを食べ終え、少女が
「……ところで少年」
「……パンとコンビーフ、今ので最後だから」
「はうぁッ!?」
た、大変だ:(;゙゚'ω゚'):
翌日。
少年は早起きして修理に取りかかりますが、部品の交換ができないためなすすべなし…
おまけに食料も残りわずか。
喪失症のせいで、ケータイも使えず誰の助けもよべず…
夏の暑い日の下、カブを押して歩くふたり(地獄か)
そして上り坂(地獄か)
なんとか坂の頂上に着いたふたり。
その地平線の先には、なんと!畑と家が!
明らかに人の手が入っているその光景にやる気が出る少年と少女。
しかし。
「しぬ」
「ぼくも」
…
地平線までの距離を見誤ったふたりはグロッキーになりながらも、何とか先程見た民家に到着します。
畑には色とりどりの野菜!と興奮気味の少年は少女に話しかけますが、少女はアスファルトに突っ伏したまま動きませんΣ(゚д゚lll)
少年は少女を担いで水場を探します。
なんとか見つけた少年は少女をベンチに座らせ、桶にためた冷水を思いっきり少女にぶっかけます(笑)
「何するかこのド腐れェ!」
と桶を少年の顔面に投げる少女。口悪いなあ…
なにやら水かけ合戦が始まる予感…
その時。
???「やぁ。お客さんかな? 君達は」
数々の出会いを経て、助けられ、1冊の日記帳とスーパーカブで旅する少年少女の行く先は…世界の果て。旅の行く末はどうなるのでしょう???
心優しい少年と口より先に手と足が出て中々素直になれない少女。
そんな彼らが消えて行く世界で毎日を全力で生きている姿にとても感動しました。
日記も固有名詞を使わないことで喪失症に対抗し、確かに彼らは生きていた、ここにいたと言う証を残して旅をしているのも本当に感動です( ;∀;)
感動だけではなく、少年少女の会話や、道中会った人たちとの会話だったり一緒に過ごした時間だったり…楽しいシーンも多くありました。
女子高生×ドラム缶風呂というすごい場面もありましたよ!!
あぁ〜旅行行きたい( ˙-˙ )車で、だけど。
かなり序盤で区切ったので内容は少なめですが悪しからずm(_ _)m
次回は「たんもし」3巻を紹介する予定です。
それでは〜(-_-)zzz