淫らで緋色なノロイの女王
また暑さが戻ってきました、やれやれ…
今回は久々に最近刊行された作品を読んでみましたので、紹介したいと思います。
帯の宣伝で買うことを決めました(笑)ジャンルは…青春ホラー?サイコラブ?
いずれにせよラノベではめずらしい、というかサイコラブって言葉が初耳で気になったってのはあります。決してわたしがヤンデレ萌えと言う訳ではありませんよ?
題名と表紙からわかるように少しグロテスクな表現があります。あと緋色というのは夕焼けの色、黄昏時?あるいはそのような血の色…
主人公の高校生打木禊(うちぎみそぎ)は5年ぶりにかつて緋崎小学校6年生まで過ごした猩々市(しょうじょうし)を訪れます。(猩々というのは想像上のサルのバケモノ)
その理由は小学校時代の友人咲山千早に呼ばれたからです。千早から告げられたのは、
5年前に死んだはずの緋崎ミコ(表紙の子)が還ってきたというウワサがかなり広がって、実際に夕暮れ時に彼女を見たという人までいるというものでした。
ミコが生きているはずがないと2人が思うのは当然です。なぜなら禊が短刀でミコを刺し、彼女が展望台からがけ下へ落ち岩に当たる音を聞いたのですから…(死体は確認していない)
そしてこのことを禊はずっと忘れられないでいました。
おっとここで質問ですか?なになに?
緋崎ミコという人物について?ミコには特殊な能力がありました。
それは他人の中にある害意(悪意)を増幅させるというもので、大人も子どももミコの言いなり。ミコは女王で彼女に従うものは女王派、禊や千早は反女王派(少数)とで分かれていました。
禊がミコを刺したのも彼女の能力によるものでした。どのような害意を増幅(作中では”押す”という)させたかは…
ともあれ(?)女王が還ったというウワサと共にかつての女王派の子が相次いで自殺するという事件が起こります。彼女らはなぜか笑顔で自殺(こわ…)
そしてミコの死体を確認するため、かつての反女王派の禊、千早、切花凪、指池典人は展望台の下の森へ向かいます。
ミコが死んだとされる場所にいたのは…一匹の全身鮮やかな赤い色をした猩々。
何やら不吉な予感!?
ですが何事もなくその日4人は解散します。
禊はその後ひとりで引き返し、例の岩のところへ戻ると、先ほどの猩々が。
その猩々の後をついていくと、そこはかつてミコが暮らしていた屋敷でひとりの少女が…
それは禊たちと同じ年齢に成長した緋崎ミコでした。
少し補足をすれば
ミコはミコ本人の害意から生まれた存在で生き返ったわけではないということです。
では何をするために禊の前に現れたのでしょうか…?と内容はここまでにしましょう。
最後にタイトルのノロイが片仮名なのは呪いと鈍いがかかっているのだと思いました。鈍いには遅いとか鈍い以外に「異性に甘い、異性の魅力に弱い」という意味があり(三省堂大辞林第三版)、今回はこの3つ目の意味が当てはまるのでは?と思いました。
サイコラブ…おもしろいお話でした!
かなり長くなってしまいました。ぐんない(-_-)zzz